【つけめん¥650】03.4/28
有給を使ってやっと食べられた! 地元民でなければ難関中の難関を攻略した気分。いや、これで味が好みでなければこうまで素直に喜べない。我が愛すべきつげ義春の作品から名付けられた店名(宿モノの渋いところをつく!)に引きつけられてからどれほどの歳月が流れただろう。少々迷って、そば屋の居抜きのような佇まいを発見したときは正直感動した。食べてもいないのに。で、手打ちの自家製麺でロットが少ないとは聞いていたが、店内は平日とあってか昼下がりののほほんとした空気が店内に充満していた。仕事の中休みで新聞でも読みながら一服にきている感じの方ばかり(ラヲタっぽいのもいたが、俺もか)。夫婦仲よく切り盛りしている感じもいい。で、出てきた麺はきらきらとみずみずしく輝き、歯ごたえもあって、のど越しを味わうには食感がありすぎる。粉がぎっしりつまっているというか、でも瑞々しいので食べずらくはない。手作り感が強い東池袋大勝軒系のような柔らかさとはある意味対象的だ。で、この店に対する多くのレビューをみると、麺に対してスープのクオリティが追いついていない、というような意見が目立つが、これが、食べてみてちょっとした衝撃だった。確かに濃厚ではない。Wスープで動物系は抑え目である。それは魚介系のダシを引き立てる絶妙なバランスであって、特に煮干しのダシがいい感じで前に出ている。芳純なだけでなく、しっかりとしたボディの強さを感じる。この麺にしてこのつけ汁。スープ割りは言わずもがな、この場所でこの雰囲気にすっぽりはまりこんだ気分。1日三回を占める食事、その1食で一日の気分が違うということを再認識した。
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