【和風つけめん¥600】
細い道路の割に交通の要で、バスやトラックがガンガン通る、練馬やここ中野によくある、自転車・歩行者泣かせの道路脇、振動で揺れる小さなお店、それがここ燦亭。カツゼツが決していいとはいえない、頑固そうな面構えだが、実際は気の弱そうなこの御主人(悪気じゃなくて褒め言葉^^)は、実にオリジナルな醤油ラーメンをつくる。まるでそばつゆのように真っ黒なスープは、つけめんだとよけいにその異彩っぷりがはっきりしよう。辛いかと思われるが、店内に入ると同時に鼻孔をくすぐる芳香からも察せられるように、甘みさえある、苦味の利いた香ばしくも、淡い口当たり。臭いで際立つのがガラではなく肉汁の甘い香りなのだが、カツオや煮干しの和風だしと、地鳥の皮と黒豚のばら肉の肉ダシのダブルスープという。で、和風だしの方だが、実際にスープをすくうと、先の肉ダシとは違うかつお節の香ばしさが襲ってくる。黒豚のチャーシューはもう少し肉汁のしみ出るロースの感じが欲しいとは思ったが、デフォルトでその黒豚チャーシューとくんたま(と思われる味玉)がつくのだから、もうたまらない。麺はつけ麺メインの、いわゆるもっちりとした太麺とは違うものの(だから好みは別れるかもしれないが)、つけめんとしても充分に耐えられる、つけにしては細めで四角いけど、充分美味しいんじゃないかと。兎も角、この旨さににしてこの値段。文句ナシのコストパフォーマンス。他の駅密着の店より距離はあるが、たかだか3分程度。そんな駅周辺にこんな味があるなんて、贅沢ってもんですよ。
|