【鴨つけそば塩¥700】
臨時休業で振られたり、行列が長くてベストタイミングがつかめないと、なかなか敷居の高い店だったがやっと食べられた。この店の印象はなんとも不思議なもので、メディアの露出が高くて行列がすぐできる割に、感動的な感想を口にする人があまり多くないようで、ラーメンフリークというよりも普通の会社の同僚といった間での評判でいいものをあまり耳にしない。おかみさんが温厚そうで情に熱くて、というようなタイプそうだが、実際はストイックにラーメン作りを行っている。こういうタイプの店ってもっと感情的な評判がたつものなんだけどなぁ・・・
行ってみて、なるほど納得したというところでしょうか。正直、ちょっとマニアックな味かも知れません。いいものつくろうとして、旨けりゃいいという一番多い客層がおいてけぼりを食らっている印象。自分もつけそばのどの辺が鴨ダシの特徴かがわからず、相当に神経をつかって食べることに。じわじわと滋味深さの溢れたスープは、ガツンと来る旨みではないので、旨い!と喧伝しにくい。しまいには「味がしない」という烙印も押されかねないだろう。
自分もすげーと思えなかったが、舌に神経を集中させてうま味を探るように食べたが、それに見合う確かな満足感はあった。すげー仕事しているなと感心するダシの活かし方。スープ割りで見事に堪能できた。麺も印象としては残らないまでも実にこのスープにはマッチしていた。
このとき食べたスープもいまでは違う形になっているし、こういう店こそ季節ごとのメニューを通いながら堪能すると至福が味わえるのだろう。旨い!って叫ぶ以外のタイプのラーメンがあったっていいじゃない。ただ物足りないだけじゃない、そういわしめるだけのものがここにはあると思う。
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