埼玉北西部

=しょうゆ =みそ =とんこつ =あっさり =こってり =細麺 =太麺

埼玉エリア
南部:京浜東北線・埼京線他 東部:東武伊勢崎線・野田線他
西部:東武東上線・西武新宿線他 北部:高崎線・宇都宮線他


決定!埼玉北西部の1オシ!!ラーメン
よし丸 特徴; 豚/醤・あ/こ・太・Wスープ
定休日 月/月末火曜日 時 間 11:00〜15:00/17:00〜22:00(日祝〜21:00)
最寄駅 東武鶴ケ島 住 所 鶴ケ島市南町3-1-12
【特つけ麺¥650】
 だれがこの事態を予測できただろうか!? 埼玉北部のラーメン屋にいける機会が有り、折角ならと評判のラーメン屋をピックアップしていく内に、日時にあったお店ということで選んだ。しかも当日店の前に立つも、いい意味で煤けた、いかにも背脂トンコツ醤油な佇まいに、極上のWスープを想像できるはずもない。ここはこってりとんこつの豚骨ラーメンとあっさり醤油の和風ラーメンの二枚看板の店だったが、二つを合わせたWスープのよし丸ラーメンを展開。昨今の動向に便乗したものと一見思い気や、その真相は食べた人間だけがしることとなる。
 印象としては魚介系の香りの方が相当にインパクトあるが、優しい口当たりでも確かな満足感があるのは、豚骨スープがかなりしっかりしている証拠。昨今のWスープの有名店に決して劣らない力強くも非常にバランスのいいブレンドスープにできあがっている。無添加自家製麺との相性も良く、食べごたえがあるものの、多加水で喉ごしがよくスルスル入る。そしてWスープではつけにしかデフォで入らない、注文後に焼いて焦げ目をつかせるブロック状のチャーシュー! この焦げが更に風味を増し、苦味が味により深みを与えている。この1ポイントが実に大きい。そしてスープ割りは魚介系スープのみでさらりと戴く。さらにはっきりと魚介スープの輪郭がはっきりとする。
 久々の高陽感と満足感。気に入るかは人次第だが、自分は、はまった!
らーめん専門店燈の車 特徴; 醤・Wスープ・あ/こ・太・無化調
定休日 木・第2水曜日 時 間 19:00〜売切(20:30頃)
最寄駅 西武新宿線狭山市11分 住 所 狭山市中央4-24-8
【つけめん¥700】02.11/24
 駅からエッチラ歩いていくと、街道沿いにだだっ広いファミレスタイプか田舎道にポツネンと小屋みたいなのかラーメンショップしかないような埼玉のラーメン店外観にあって、小体ながらもこじんまりとセンス良くまとまった東京の店舗のような構えに行列が。昨今話題のここが燈の車。その列に並ぶがなかなか列が縮まらない。
 中に入ってビックリ。L字カウンターに9席。席に着くと背後は直ぐ壁で、それなのに身体を小さくして店内の接客に動き回る店主夫人(だと思う)。実に気の行き届いた接客で、自然体で心が籠っていて気持ちがいい(斉藤ゆう子似のメガネ夫人)。狭いながらも呼吸を合わせて、作務衣姿の御主人と共同作業。魚介系スープ(アゴ・小アジ・イワシらしい)を風味が飛ばぬよう冷やしたものを動物系スープと合わせて小鍋で温めてから提供。チャーシューもその場で焙る。冷めないよう大量に焙らないから、こまめに焙る。これじゃ回転が悪いわけだ。でも手際が悪いわけではないので、いまのところ7人前後の列が流れている感じ。そして奥さんが何かに取り憑かれたかのような湯切りを終えて完成。
 なんと食事中でも味の濃淡の調節を気持ち良く引き受けてくれる。つけ汁は煮干パウダーがガツン度を更に上げる頑者必勝軒のタイプ。ここは小鍋での調節が絶妙からなのか、ぬるくも熱すぎもしない。適度な熱さを感じながら、見事に魚介系の海にダイブするかのような醍醐味が味わえる。しかも動物系のスープが立ちすぎることなく魚介系の勢いを手助けしているので、魚介系のもつ繊細さもガツン度とともに味わえる。完全に好みの問題だが、まるで黄金比のように自分にははまる配分。
 ただ、難を言えば麺。やや黄色いウエーブのかかった線の太いしっかりとしたものだが、コシがありすぎて、勢いのあるスープに負けることはないのだが、逆に弾いてしまっているような感じすらある。もう少し外側がなじむくらいのしなやかさを持つキメの細かい自家製麺だったらもう全国区の実力店となるだろう。もうスープは一定のレベルをこえているのだから。そのスープ割りを飲んで店を後に出来る幸福感ったらもう……。

ここにも!埼玉北西部に是非よって食べたいラーメン
頑者 特徴; 醤・太・つけ麺
定休日 日曜日 時 間 11:30〜16:00頃
最寄駅 本川越1分 住 所 川越市新富町1-1-8
【つけめん¥650】02.2/11
 云わずと知れた川越、いや埼玉を代表する有名実力店にはやくも成長してしまった。些か来訪が遅れたが、それが実に悔やまれる一杯だった。麺切れを懸念して行列覚悟ではせ参じたが、いやはや昼ピークで2時間待ち。15時なら大丈夫そうだが、如何せん遠征となると確実な時間を抑えておきたいもの。隣が民家で迷惑かとも思うが、元々駅前の喧騒の中だし、店舗ではないぶんまだ並べるほうかと。少々体調に異変が来したものの、それでも満足できる一杯であることは間違いナシ。
 基本的には東池袋の大勝軒系といわれるつくり。Wスープでガラ系のパワフルさが結構あり、食べごたえがある。自家製のぷりぷりの麺を包み込むふくよかさのあるスープになっている。その分、思ったよりは節系が弱く思ったが、鰹節の粉末が適度に嫌らしくないほどにかかっていて、これがいい風味付けになっていて、パワフルななかでバランスをたもっている。この手のスープはどうしてもぬるくなってしまうが、このぷりぷりした麺を味わうには仕方のないところ。スープ割りは魚介系の味も堪能でき、少々店主のお兄さんが怖いが、なんとも幸せになれる一杯。
 骨接ぎと同じ建物になっている店舗は川越の風情があり、黒光りする木材に歴史を感じる。ちなみに、トイレは店舗の左路地奥にあります。
あぢとみ食堂@吹塚 特徴; 醤/塩・あ
定休日 木曜日 時 間 11:00〜15:00/17:00〜22:00
最寄駅 東武若葉 住 所 比庇郡川島町大字吹塚793-2
【塩つけめん¥600】
 世の中、イレギュラーというものはあるもので、まさか、こんなことが、ということも起こるもの。この店の住所を見てみてわかるように、大字。ロケーションはまさに田舎の食堂。メインの254沿いにもあるようで、系列店のようだが、なぜかここだけがラーメンに特化しているというのだ。たべれば納得だが、魚介系の、方向としてはWスープ系の味を提供している。おそらく、この店だけがどこか有名店で修業したか何かだと思うのだが(後日談:大喜@湯島だそうです)、実になんでもありの食堂からは浮きすぎている。
 しかし、個人的には多くのWスープのラーメンにあるようなパンチは弱く感じた。ダシの主張は控えめ。このおとなしさは自分には物足りなかったが、塩にかんしては独特の鶏の甘みと、魚介系の風味がきいていて、マイルドだがあまり味わったことのないものに仕上がっているので、好みとしては塩つけのつけだれが気に入った。醤油つけはカツオが粉末状にまき散らされていて、個人的には触感が受け付けない。そんなことはないのだが、市販の削り節の粉をまいただけのような感じがどうしても拭えなかったからだ。
 そうそう行くことはないと思うが、ドライブがてらおいしいものを食べに行こうというにはいいかもしれない。
麺屋六文銭 特徴; 醤・つけ麺・太
定休日 日曜日 時 間 11:00〜14:30/18:00〜21:00
最寄駅 高崎線宮原2分 住 所 さいたま市北区宮原町3-262
【特製もりそば¥650】02.11/2
 東池袋大勝軒系。ここの特徴は何と言ってもつけ汁のキメの細かさ。確かに甘酸っぱいのだけど、ワイルドさというよりは丁寧なダシの取り方という印象が強い。あえていうなら、必勝軒に近い(あれほど熱くないけど)。上品に動物系のダシの濃度が伝わってくる。勿論、スープ割りもマスト!
 麺も申し分なく、このクオリティながらさして混雑している様子もなく、駅からも至近なので、遠征の際、最後に立寄る店としていい想い出が出来そうだ。

LOVE・・・さりげなく、極個人的に好きなラーメン
岡ちゃんラーメン 特徴; 豚醤・背脂・脂/麺/濃可
定休日 無休 時 間 11:30〜15:00/17:00〜01:30(日昼のみ)
最寄駅 東武ふじみ野 住 所 富士見市勝瀬1581
【ラーメン¥600】02.2/11
 254沿いの一昔前に良くあった背脂系ラーメンショップタイプ。メニューなど黄色いアクリル板のようなものに丸いゴシックの文字(「じゅん」かな?)で書かれたヤツが店内にでかでかと掲げられていたりするが、いまでも人気の店でやり続けている秘密がわかった気がした。
 確かに味は凡百のラーメンショップとは比較にはならないが、三角州状の立地の突端という悪条件に負けず、狭いながらも密着感をアットホームな雰囲気に変える(おかみさんというより)ねぇちゃんのキャラクタからくる店づくりに追うところが大きい。ちょっとヤンキーっぽくて怖そうだったが、店前でストーブにあたって待っていると注文を取りに来たその感じは嫌みじゃない感じにフレンドリーで、客を大事にする気持ちが自然と出ていて好感が持てた。狭く雑然とした店内もこれで逆に落ち着きが出てしまう。水を外で汲むのだが、隣のお客さんが自分の分もついでくれた。そんな気分にさせてくれる不思議な力がある。絆されちゃいけないと、自分に言い聞かせるものの、その味に涙が出そうになる。
 確かに素材にこだわった昨今の料理的なラーメンではない。しかし野菜と果物をふんだんに投入したスープはやさしい甘みで満ちあふれ、とろみがあるのに、味付けがしつこくなく、あっさりしているほど。とにかくいろんなものが混ざり合っていてはっきりとした輪郭のない味だが、雑然としたよさをマイルドさで包み込んでいる感じ。背脂がラーメンらしさを出している。麺は多加水の独特の平縮れ麺。ちょっとインスタントぽいが、このトロトロマイルドスープにある。ちょっとジャンキーなテイストだが悪いものを大量投入している嫌みは全く感じない。店内の注意書きを読むまでもなく完食できてしまう。また完食しやすい量にもなっている。軽い容器も持ちやすく考えられたのかも。
 いやはや、またねぇちゃんのところでほっとしたいなぁと思わせるラーメンでした。
本庄大勝軒 特徴; 醤・太・つけ麺
定休日 不定休 時 間 11:00〜15:00/18:00〜20:00、土日昼のみ
最寄駅 高崎線本庄12分 住 所 本庄市緑1-3-8
【特製もりそば¥650】02.11/2
 東池袋大勝軒系でも佐貫大勝軒のお兄さんだそうです。佐貫系らしく、挽肉が入った相当に甘いもの。しかしそこそこに酢も効いているので、バランスはいい。ただ、この味は食べ慣れないと違和感を覚える人が多いので、店内に貼られている「本庄にはない味なので3回は食べて下さい」とあるのも頷ける。麺はさほど極太ではないものの、むちむちぷりぷりした相変わらずの中毒性の高い麺。店に入って直ぐの食券機に、並盛りが200g、中盛りが300gと併記してあるのがとても嬉しい。
 面白い場所にナイスな店があるものだ。それにしても藤ケ丘大勝軒にもあったが、山岸さんの巨大な写真パネルはまるで故人の遺影のようで……(^_^;)

まだまだある。町のラーメン屋さん
らーめん楓神 特徴; 豚・こ・細・長浜
定休日 無休 時 間 11:00〜02:00
最寄駅 JR蓮田30分以上 住 所 北足立郡伊奈町栄1-93
【ラーメン¥600】03.1/4
 交通量の多い道路沿いの長崎ちゃんぽんを居抜きしたような佇まいで、看板もフォント「まるもじ体」みたいなファンシー字体で見事にそそられないが、環七の田中商店出身。見事なまでの本格長浜ラーメン。
 濃厚かつ、口当たりがまとわりつく感じのマイルドなスープ。バリ硬極細麺でストロング長浜スタイルなのだが、タレが正直しょっぱい。ラードひかえめだったり、タレとスープのバランスだったりするのだろうが、こういう濃厚マイルドスープにはやはりダシの甘みを全体的なバランスで甘さとして堪能したい。
 どうも全体的にしょっぱいという印象を受けるとスープのうま味を感じられない。長浜ラーメンとしてそれぞれのパーツのレベルが高いだけに、個人的にはものすごく残念。
心麺 特徴;
定休日 水、第1・3木曜日 時 間 11:00〜14:00/17:00〜21:00
最寄駅 JR北本6分 住 所 北本市本宿1-22
【醤油ラーメン¥700】03.7/15
 あの支那そばやから独立した店。北本の旧中山道沿いにあり、埼玉に良くある和風を押し出したアットホームな、街道沿いの蕎麦屋のような佇まい。行列店かとおもいきや、平日の夜の部営業スタート直後だからか、すんなりと入れてしまった。先客1名。後客3名。
 出てきたラーメンのフェイスは、茶色いスープに丸く大きなバラチャーシューが漂う、まさに支那そばやスタイル。少々脂が強いように感じたが、青ネギとスープと自家製麺のバランスはよく、繊細という難しさはあまりないように思われる。思いの外、素直に食べられるラーメンに仕上がっているのではないだろうか。
 ただ、白くきめ細やかながらざっくりとした食感の麺も、後半ぐっちゃりと制裁を欠くのは、脂の強さとスープのかったるさに負う部分が大きいのではないだろうか。鶏ダシが強いのはいいのだか、妙な酸味があり、自分はこれが苦手で、スープに粘度も多少有り、後半相当にかったるく感じてしまう。支那そばやでは感じなかったのだが・・・一時的なブレであって欲しい。
ぜんや 特徴; 塩・行列
定休日 火・水曜日 時 間 11:30〜12:30頃(100食)
最寄駅 武蔵野線新座8分 住 所 新座市野火止4-9-8
【ぜんやラーメン¥600】02.4/8
 ラーメン登竜門の後、新座に店を構えて話題になるや即座に行列店。行こうとは思いながらタイミングがつかめず、ついには仕事の休みをとって、「ぜんや急げ」の故事にならい、開店直前に到着。30人待ちくらいだったろうか、隣の学校の壁際から行列はスタートし、1時間ほどで食べられたように思う。
 で、正直、ピンとこなかった。というのも、このころはすでにWスープ/インスパイア系の波がおとずれており、自分自身、舌で感じるレベルでの多層的なダシの世界にどっぷりと浸かっていた。ぜんやのスープは驚くほどシンプルであるがゆえだろう、恐ろしいほど淡泊だった。いや、ダシのうま味は十二分に発揮されている。ただ、その出し方があまりにストレートすぎて、楽しめるレベルに到達できなかった。
 バラとモモ(だったかな?)二種類のチャーシューも小さくて差異を感じられぬままにのどを通りすぎていってしまった。ホタテなどの魚介系+豚ガラ・丸鶏のガラ系のダシらしく、こう聞くと複雑な気もするが、この絡み合い方が非常に素直というかストレートなのだ。このストレート感を、重みがあってはまるか、淡泊とうけとるかで評価が分かれそうな気がする。
 なにはともあれ、魅力的な店であることにかわりはない。
極らーめん櫻座 特徴; 醤/塩・庭園
定休日 無休 時 間 11:00〜23:00
最寄駅 西武池袋線小手指10分 住 所 所沢市榎町7-11
【平打ちつけ麺¥900】02.5/12
 日本庭園を眺めながらラーメンが食べられる料亭のような店が出来た! ということでずいぶんと話題になり、当初は長い営業時間ながら売切れ終了することもあった店。どうやらうどん屋の居抜きとのこと。これはと思い行ってみたはいいが、実際は、埼玉の街道沿いによくあるファミリーレストランタイプのうどん屋で、和風ということで奇を衒って庭を造ったという感じ。一応離れのような座敷もあるが、ポーズだけという感は否めない。客席も一人客向けの大きいテーブルをかこう席もあるが、もろにファミレスタイプの4人席が目立つ。厨房も離れているので、注文して待っている間はラーメン屋というよりファミレスでラーメン頼んでいるような雰囲気があった。
 で、麺がきしめん、というよりフィットチーネに近いと噂の平打ちつけ麺を頼んだ。確かにびらびらの太麺で、食感もパスタに近いと思う(あまりパスタを食べないのだが)。もっちりとした食感はいいのだが、正直、量は決して多くないながら、スグに飽きてしまう。つけ汁も魚介系の風味が香るものの、酸味が前面に出ていて、しかもガラ系のパンチも弱いため、それが麺を飽きさせる要因にも繋がっている気がしてならない。スープ割りも、あまりダシが強くないため、スープ割ならではという領域に達していないように思われた。
 連れの醤油らーめん(¥650)も食べたが、Wスープというか、和風の印象を与え、動物系で満足感を与えようとしている方法論はつけ麺と一緒のようだ。こういった方法論ひとつとっても、あぶったチャーシューやとろとろの半熟煮玉子をとっても、よく研究しているとは思う。流行の路線というものを抑え、なおかつ居抜きながらも庭園があるというマスコミ受けしそうな要素もある。食べていないがデザートとして懐かしのプリンなんていう確信犯的なネーミングも然り。でも、店のつくりからしてもファミリーやカップル向けだろうから、これはこれでありではないだろうか。
つけそば丸永 特徴; 醤・太・つけめん
定休日 木曜日 時 間 11:30〜14:00/18:00〜20:00頃
最寄駅 西武池袋線狭山ケ丘13分 住 所 所沢市和ケ原1-180-45
【丸永のつけそば¥650】03.7/20
 昨今、埼玉県のラーメン屋の中では結構話題となった店。一度ふられていることもあり、行列店なのかとおもいきや、商店街の一角のアットホームな雰囲気の店。
 店名からして丸長グループの、白っぽく柔らかい麺を辛酸っぱい濃いタレのつけ汁で食べるスタイルを想起してしまうが、左にあらず。黄色い極太麺は、つけ汁の脂を弾くかと思うくらいプルンプルン。むっちりとして非常に弾力のある麺。つけ汁は黒く、かなり甘めだが、ダシも結構効いている。魚介系の風味もしっかりとあるが、やや動物系が甘味を助長するかのように前に出ている。確かに斯様にダシは効いているのだが、全体としてバランスよく仕上がっているためか、つけ汁自体の濃度はさしてなく、濃厚さというかガツン度が低く、そこに弾力のある極太麺をつけるので、どうも麺が汁を弾く印象を受ける。それぞれがいいだけに、つけて食べる快楽からは遠い気がする。
 スープ割りはやはりダシが効いていて、おいしく戴けた。この麺が好きになれるかで、好みがわかれそうだが、「武蔵野そば」など、新作の開発にも余念が無いので、今後も気になる店には変わらない。
麺屋無尽蔵 特徴; 醤/塩/豚
定休日 水・第3木曜日 時 間 11:30〜15:00/17:00〜21:00
最寄駅 西武秩父・八高線東飯能8分 住 所 飯能市川寺341-9
【つけめん¥700】02.11/24
 看板が木目の大きなもので、周囲の淋しさをよそになかなかそそられる。しかし店内は狭いが小体で雰囲気がいい。
 期待は膨らみ、つい隣が食べている塩ラーメンを覗いたが、以外にも白濁系だった。それぞれの具材は柔らかそうでいい感じ。しかし自家製麺がやや太めでスープとあわない様な気がした。つけめんも同じ麺だとしたら、つけにしてはよわそうだなとも思った。スープに関して言えば、ベースは長時間煮込んだ白濁豚骨故に白い塩ラーメンらしい。実際、運ばれてきたつけ汁は、白濁しており、臭みなどはないが、タレが弱いため、スープが全面に出てこない。いい感じでダシの旨みがぐっと出ているとはおもったんだが。麺もあわなくないが、詰まった濃ゆい麺、という感じではなく、軽い印象の白い麺。後半、妙に腹に溜まってくる。チャーシューなど具は丁寧な仕事ぶりが伝わってくるが、デフォルトでついてくるたまごが半熟過ぎて、このスープにはあっていない気がする。しかも冷たい。つけ汁はともかく酸味が強く、ダシが全面に出てこないもどかしさ。スープ割りをしてやっとある程度は楽しめるようになったかなと。それでも酸っぱめ。
 全体的に手の込んだことはしているとは思うのだが、もっと素材感の在る引きだし方がこれなら出来るような気がしてならない。メニューのバリエーションはあるので、この麺とスープなら、未食ながら和風薄口醤油がよさそうな気がする。あまり商店の活気があるとはいえないエリアでは珍しいお店なので、是非とも頑張っていただきたい。
九州屋 特徴; 豚・こ
定休日 月曜日 時 間 12-14:30/18-1(日祝-0)時
最寄駅 東武/営団成増 住 所 和光市白子2-2-34
【とんこつラーメン¥600(替1無料)】
 254を少しはずれた県境の店。東京を越えるとすぐ悪魔が待っている、といわんばかりのワイルドで、逆にそれが食欲をそそるラーメンを出す。しかし外観はそっけないというか、そそられない構え。しかも店内も世辞にも綺麗とかおしゃれとかいう言葉が似合うとはいえない。地元の兄ちゃんがたばこ吸いながらたまる雰囲気。それを裏付けるかのように店主もどうもヤンキー趣味の気が。
 しかしラーメンを外観で判断してはいけない。入ってくる情報では東京の人にあわせた九州ラーメンといわれているが、うらはらにコクのある濃厚スープが出てくるのだ。どうもラーメン好きには東京向けにアレンジというと薄い印象があるが、ここはそういう意味ではなく、臭いや癖のある純粋な味ではなく、自分でアレンジし、九州ラーメンの良さを自己解釈したラーメンということではないだろうか。
 見た目真っ白で所々茶色が覗くが、これは表面の脂の下に醤油ダレのスープが見え隠れしているのではなく、真っ白などろどろでもしつこくない、背脂も伺える白濁とんこつスープにニンニク脂が浮かんでいるのだ。このビジュアルからして、半端な九州ラーメンもどきでないことが伺える。ガラ系・脂の甘みもあるが、見た目よりどんよりとせず、ニンニク脂がシャープさをも演出している。そしてなによりチャーシューが旨い。角煮も6コは多いかとも思うが、ここの肉の旨さを堪能できるはず。他では食べたことのないラーメンであることは確かなようだ。

元町家 特徴; 豚醤・脂/麺/濃可・家
定休日 月曜日 時 間 11:00〜22:00(日祝〜21:00)
最寄駅 東武東上線上福岡3分 住 所 上福岡市上福岡1-14-50
【トンコツ¥650】
 埼玉では名店として人気のある家系、石川家で修行された方の店。2000年OPEN。評判もよかったので期待して、九条ネギまで増してオーダー。
 しかし、全然スープとあってない。完全に喧嘩。あのグチャグチャ感は思い出したくもない。スープは石川家のようなオリジナルなものではなく、家系によくあるスープのタイプ。しかしスープ自体が薄く、旨みが非常に弱い。チャーシューも普通(家レベル=おいしくない)。開店してだいぶ経ったころでもオペレーション悪。オーダーをちっとも覚えない(食券なのに)。どうも後々話を聞いてみると、一時のブレではないようだ。ここは是非、上福岡なら、がんこ(現・田)を試す方がいいのでは。
井門家 特徴; 豚醤・こ・脂/麺/濃可・家
定休日 木曜日 時 間 11:00〜23:00
最寄駅 JR北上尾 住 所 上尾市春日1-35-13
【並¥500】
 埼玉にある家系。近くにも家系のあばんがあり、大宮などにはないのに、何故か上尾に集中している。
 で、この地でどのような家系が食べられるのかというと、これがそう手放しに喜べるものではないのだ。スープに溶けないのり三枚に、ほうれん草、チャーシュー、表面に浮かぶ脂と、スタイルは家系だ。しかし、麺は丸富という製麺所の中細カール麺。これがもちゃっとしていてイマイチ。酒井製麺などに見られる芯が強くて加水率の低い麺とはかけ離れている。濃厚スープにあってない。それも濃厚スープといっても、コクが弱く、ラードを加えているのだろうか、醤油ダレのスープと脂が完全に分離している。タレも甘みに欠ける。とはいうものの、家系というものを度外視して考えれば、それなりにおいしい。リピートはかからないけど。チャーシューはなかなかに秀逸。それに、なんといっても安い。
 ここら辺では有名な行列店で、家族づれも多いが、でもやはりイマイチ承服しかねる。ちょっと近くでそこそこのラーメンが食べられる、それ以上のものは感じられなかった。これをニューウェーブの家系ととるか、別れるところ。個人的には、家の文字は取ったほうがいいかと。
陣屋 特徴; 豚・細
定休日 無休 時 間 18:00〜03:00
最寄駅 JR熊谷 住 所 熊谷市星川1-36-5
【とんこつらーめん¥600】
 少々洒落た大人気なお店。ここで武骨な本格長浜豚骨がでてくるという期待がそもそも間違っていたのかもしれない。いや、確かに臭いの殆どしないながらも、満足感のあるスープに仕上がっているとは思う。ライト系とは違う、しっかりとした味がある。
 しかし、あえて苦言をいわせてもらうとするなら、長浜と謳う以上は、ダシの甘みと脂のパンチで勝負してもらいたい。個人的な好みの何者でもないが、やっぱり塩ッ辛いとんこつらーめんは頂けない。麺も出来はいいが、本当に芯のある、極細でバリカタであってほしかった。
 つまるところ、ダシの旨みが凝縮された優良店の長浜ラーメンを5とするなら、この店のラーメンは4のなかでも特によく出来た4であるが、決して5にはならない4であるということ。あの臭みや濃度が駄目な方は満足度は高いかもしれない。やっぱ、豚骨の旨みって甘みでしょ!?

追悼!閉店してしまったラーメン屋
鬼火山 特徴; 塩/醤/み・細・牛骨 ⇒麺家うえだ
定休日 月曜日(祝翌日) 時 間 11:30〜14:00/17:00〜23:00
最寄駅 東武志木 住 所 新座市東北2-12-7
【ラーメン塩¥650】
 魔女…失礼、ママと呼びたくなるような女主人の店。店内ではオリジナルTシャツにねじった鉢巻きを結び、そのお祭り忍者のような容姿に一瞬怯んだが、焼き肉店も経営する牛骨の目利きのスープは特有のとろみはあるものの、さっぱりとしている。細めの縮れ麺は好みがわかれそうだが、赤ワイン漬けのチャーシューは絶品。醤油味は少々しつこすぎる味に感じてくるので、完食には辛いかもしれない。
 個人的にはこの無化調スープは全体的なバランスとしてはおとなしいかなと。ただ、つくったラーメン一杯一杯の味見をするママの姿には心を打たれた!
【後日談】
 例の牛肉騒動以後、ここも豚へと転向したが、時折牛骨復活デーをやっているようだ。はやくくだらない弊害なんか気にしないでいられる社会になってほしいものだ。
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