【つけそば¥650】03.6/17
丸長・東池袋大勝軒系の総本山。しかし噂通りの小体の中華屋。厨房に沿った長いカウンターとテーブルが3つだけ。
逆輸入であるはずのつけそばがおすすめメニューに。こちとらそれを食いに来たんだと迷わず注文。しかし、なかなか出てこない。夕方のニュースバラエティの時計に30分の経過を知らされたとき、流石に厨房を見た。オヤジは悠々と作業をしていたが、茹でている最中でなんとも手持ちぶたさ。オーダーを忘れているのかとも思ったが、店内は満席だし、お土産待ちも先ほど出ていったばかり。自分の前に入店した人の分も来ていない。で、やっと麺あげが伺えたのだが、かなりの麺の量(一人分は少なめでおそらく200g強くらいか)。4人分くらい一度に作っていたようだ。家族経営と思しきアットホームな店内では、新聞や週刊誌でも読みながら気長に待つのが正解のようだ。
出てきたつけそばは案の定相当にやわやわ。しかしその中太のもっちりした麺は寧ろ望むところ。わっしゃわっしゃムシャムシャと掻き込む。口の中でぐちゃぐちゃになる、ならではの醍醐味。東池袋の大勝軒でもそうだったが、はじめは硬めの麺が多い昨今にあって、面食らう柔らかさだが、これが不思議と癖になってくる。で、その麺を受け止めるスープは真っ黒。それもそのはず、ただでさえ黒いスープに黒胡椒の粗びきが縁に溢れるほどかかっている。丸長といえば辛さと酸っぱさの加減だが、ここは酸っぱさがどこかへいったように辛い。でもそれがいやな感じじゃなくて、柔らかい麺をむさぼるには少なめのスープだからピッタリ。ちょっとつけて食べる感じ。
スープ割りが変わっていて、熱いから麺の乗っていた皿の上にスープの椀をのせ、オヤジのところへもっていって入れてもらう。スープを入れると大分おとなしくなるので、物足りない人もいるだろうが、そのままだとやはり辛すぎる。
ここならではのダイナミズムが味わえる貴重な店だが、是非時間にゆとりをもって行って頂きたい。
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