【柳麺(りゅうめん)¥700】03.1/11
よく「ラーメン店とは思えない佇まい」というような形容をみかけるが、大半は「ラーメン屋じゃん!」という結果ばかり。和風ダイニングもどきだったりする店が多い昨今、ここは心底ラーメン屋っぽくなかった。入口からして小料理屋のようで、店前のお品書きがなければ、高そうで入るのにも戸惑う外観。内装もモドキという言葉では物足りないほどに気合の入ったもので、薄っぺらい今風ハリボテの店とは明らかに一線を画している。相模原の陸の孤島「キリン食堂」の系列店らしいが、こういうアプローチをしてくるとは、なかなかやるなぁ。
以前は柳麺にデフォルトで煮物や焼魚等の3品の小鉢が小さな岡持ちのような入れ物に入って着いてきたが、今では価格も900円から700円になり、チャーシューやたけのこ、苦情ねぎが乗った体裁となり、身近な感じにまとまっている。個人的には別盛でも食べてみたかったが、一見には厳しいメニューだったろう。
フェイスは、鶏そばといった風体で、上品で繊細な印象。実際もその予想を覆さないのだが、東京軍鶏をベースにしているというスープはしっかりとダシが出ていてボディがあるものの、嫌に前に出ることなく、程よくエッジのきいた塩ダレとのバランスがよく、全体的なまとまりが見事。細麺もしっかりしていて、食べやすいながらも満足感を損なわない構成は圧巻。チャーシューも小ぶりで、存在感がありながらキツイ味付けはせず、九条ネギとのマッチングも計算されている。小さなどんぶりにこれだけの主張をまとめ、食べるものに圧力を与えない仕事、パブリックイメージが吹き飛ぶ一杯に完敗!
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