君はぼったらを知っているか!?

 我々はこれまで、埼玉県川口市に残る駄菓子屋というガキの帝国を追ってきている。その川口には、バブル全盛期に次々と姿を消した、地域密着系反教育型エンターテイメントだったが、「秘密」の、ちよっと「うさんくさい」、「マイノリティ」であるがゆえに生まれてきた魅力満載の空間が、所々に残っていた。
 これだけでもなかなかに今となっては珍しいことなのに、これらのなかに、「ぼったら」なるものを生業としている店があるのだ。

なんなんだ、ぼったらって!?

 よく「もんじゃ焼きとどこが違うんだよ!?」という物言いを耳にする。しかし、ぼったらに親しんできたものに言わせれば、全くの別物なのだ。諸説あるが、ぼったらの方が先に生まれた呼び名だと私は信じて疑わない。
 がしかし、中学を出て早幾年。同じエリアの中学の同級生以外、ぼったらなんぞ誰も知らないという状況が今日まで続いている。

よく考えるたら、川口市の、それも中青木地区の一部にしか存在しないじやないか!?

 ということで俄然興味が沸いてきた。調べるやつは俺しかいない。やってやるぜ!ってなことて、それが今回こうやってここに実現する。それは同時に子どもを取り巻く環境、そして私自身を探す旅ともなるであろう。