1)川口流ぼったらの正しい食べ方


ぼったらは形がいくらもんじやと似ているといっても、食べ方まで同じではない。

・ラメックを砕く
川口のぼったらの場合、ラメックを入れない、というのはきいたことがない。入れるのが常繊である。ラメックの場合、かなり粉々になっているのでいいが、自宅に持ち帰る場合は(鍋をおぱちやんにもっていけばテイクアウトもOKだ)、ベビースターは袋のまま手で揉み解してから開封する。

・スプーンでぽったらを井から掬う
といっても、もんじやのように、具に軽く汁を混ぜて土手をつくる、などしない。食べたい分だけ、自分の好みに合わせて具と汁を掬う。そして鉄板に拡げて焼く。

・せんぺいが出来るまで
汁が残ったとき、それを鉄板にスプーンの背で薄くのばし、パリッとしたところでそれを食す。茶色なところからもこれをぜんべいと呼び、ぼったらが焼ける間好んでつくるものもいるが、もんじやでも同じことをする人は結構いる。で、汁がパリッとする、この状態に、普通にやいているぼったらの底の部分がそうなったときがころ合いだ。もう一寸焼きたい人はひっくり返してその底をまたせんべい状にしてもいい。

・ヘらはへらでも
さあ、これでたべれるのだが、この段階が、もんじゃとの微底的な差異といってもいいだろう。もんじゃの場合は、へらにもんじやをくっつかせて食べるが、ぼったらは小皿に取る。ヘらにつけてもいいし、つかないこともあるが、せんべい状になっているので、そううまくいかない。適当に掬い、それを小皿にとって食べる。小皿は、ぼったらが出来たときに、使用の是非をおばちゃんに問われる。

・海
中級者以上は、具と汁の配分をわきまえているが、素人は汁が残る場合が多い。ぼったらはあまり一人で食べるものではないので、3、4人が汁を残した場合、かなりの量になる。そこで一人ひとり、量が比較的少なければ二人ふたり、全員で丁度よければ全員で、ぼったらの海をつくる。これは、鉄板一面に、残り汁をぶちまけるもので、それをその場にいる全員で食す。なかなかにダイナミックて、好んでわざと汁を残すものもいる。

そして帰りしな、チョコリングやラスクなどをひとつ頼張りながら、「おぱちやん、ごちそうさまね」。これで、ぼったらは完成する。